【お困りではありませんか? シリーズ 26】 『 ワンちゃんの白内障と核硬化症 』について を紹介します

↑ 上のイラストは、眼の水晶体の断面像です。

■ 水晶体は、年輪状に形成されています。

■ 青の四角枠で囲われている部分は、『水晶体の核』であり、『核硬化症』が起こる場所です。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/SvZl6

 

■■■ 『 ワンちゃんの老化による 眼の病気 勘違いしやすい 』 編

 

 

 

■ 『 先生、うちの犬、最近、眼の真ん中が白いのですが見えているのでしょうか? 』

『 歳をとって眼が白くなるのは白内障かしら? 』 、飼い主様から良くいただく質問です。

 

 

 

■ ヒトと同じように、ワンちゃんも、加齢に伴い体のいろいろな所に変化が表れてくるのは自然な事ですが、その中でも『 最近、歳をとってきたら眼が白くなってきた 』と思われた飼主様は多いと思います。

 

 

 

◆◆ 今回は、眼のなかにある水晶体の疾患のうち、白内障と核硬化症ついて簡単にお話しします。

 

 

 

■ 眼には、カメラのレンズのような役割を果たしている水晶体と呼ばれる器官があり、水晶体の中心には水晶体核と呼ばれる硬い部分があります。

 

 

 

 

■ 『 白内障 』は、本来透明であるはずの水晶体が様々な原因で、タン白が変性することによって、白く濁り不透明になった状態を言います。

 

 

 

■ また、変性したタン白は光を透過しないため、視力が低下していきます。

 

 

 

 

■ 一方、『 核硬化症 』は白内障のようにタン白が変性し白濁しているわけではありません。

 

 

 

 

■ 加齢により、水晶体核の密度に変化が起こるため、外からの光の入り方で白色に見えることが原因です。

 

 

 

■ そのため、核硬化症では、白内障とは異なり視力が無くなるわけではありません。

 

 

 

 

◆◆ さて、一般の方には、肉眼で見ただけでは白内障か核硬化症かの判断はできません。

 

 

 

■ したがって、両者の鑑別にはスリットランプによる検査(細隙灯顕微鏡検査)が必要となりますが、それでも白内障の初期の段階では水晶体の部分的な変性が軽度にしか確認できず、核硬化症との鑑別が難しい場合も少なくありません。

 

 

 

 

■ ですから、『 うちの子、最近、眼が白くなってきたけど 』と感じたら、早めに動物病院を受診し、眼科検査をお受けになることをお勧めします。

 

 

 

 

■ 『 核硬化症は老化現象の一種 』で、治療の必要性はありませんが、白内障を併発することも考えられますので、定期的な受診で早期に白内障の治療をすることが大切です。

 
■ お困りの点がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 泉 政明

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